アトロピン点眼液は上記の調節麻痺点眼と同じ、ピント調節機能の緊張を抑える作用と、眼軸長(目の奥行きの長さ)の伸長を抑える作用で近視の進行を抑えます。この治療法は今すでにある近視をなくすことはできませんが、成長期に進むであろう近視の進行度を抑える点眼薬になります。
適応年齢は小学校低学年が近視の進行スピードが最も早いため、強度近視への進行リスクを大きく下げられると期待されます。中学生~高校生になっても使用は可能ですが、思春期以降は身長と同様に眼球の成長速度が緩やかになるため、治療効果は小さくなる傾向にあります。
主な副作用:低濃度なため副作用はほとんど見られませんが、まれにまぶしさを感じることがあります。治療を継続することで効果が持続しますので、長期間の継続が必要です。点眼を中止すると近視の進行が再加速(リバウンド)する可能性があるので、適切な中止時期の判断が重要になります。
費用:保険適応外診療(自由診療)になるため、費用がかかります。